フリーランスエンジニア お役立ち情報

フリーランスエンジニアも労災保険に入れるようになりました!

2021年9月1日からフリーランスエンジニアも労災保険への加入が認めらるようになりました。

労災保険の「特別加入」の対象にフリーランスエンジニアが加えられたことにより、フリーランスエンジニアは「特別加入団体」に申し込みを行うことで労災保険に入れます。

ただし、「特別加入団体」になるための申請受付も9月1日からの開始であるため、実際にフリーランスエンジニアが労災保険に加入できるようになるのは10月ごろになります。

フリーランスエンジニアが労災を申請するケースは、工事現場や工場などの危険が伴う場所で働く人と比べると多くはないとは思いますが、労災保険の保障はとにかく充実しています。

この記事を読むと民間の保険では保障されないくらいの分厚い保障が受けられることが分かります。ぜひ加入の検討に役立ててください。

労災保険加入の流れ

フリーランスエンジニアが労災保険に入るためには「特別加入団体」を経由して加入することになります。

労災保険に入る流れは下の図の通りです。

現在、「特別加入団体」への申請を予定している団体は「ITフリーランス支援機構」のみです。従ってフリーランスエンジニアが労災保険に入るためには「ITフリーランス支援機構」に加入して労災保険の加入申請を行う必要があります。
ITフリーランス支援機構」への加入条件や会費などについてはまだ発表されていません。

 

保険加入の対象となる業務・作業

労災保険の加入対象となるフリーランスエンジニアの業務や作業については厚生労働省が分かりやすいパンフレットを作成しています。

こちらをご覧ください。
ITフリーランスの皆様へ
令和3年9月1日から労災保険に特別加入できるようになりました

 

労災保険とは

それでは労災保険とはどのようなものかを説明していきます。

労災保険(正しくは「労働者災害補償保険」)は、雇用されている人が加入できる公的な保険制度(社会保険)です。

「雇用されている人が加入できる」と書きましたが「特別加入制度」という雇用されている働き方と同様の働き方をしている職種については労災保険への加入を認めるという制度があります。

今回、この「特別加入制度」の対象にフリーランスエンジニアが加えられました。

労災が認められるケースは以下の2ケースです。

労災が認められるケース

  • 業務災害
  • 通勤災害

業務災害

業務が起因してのケガや病気、障害や死亡をいいます。

そのため業務時間内であってもその行為が私的なものであった場合のケガなどについては業務災害とはなりません。

フリーランスエンジニアの場合には在宅勤務を行うという人も多くいると思います。在宅勤務の場合に業務災害に該当するかは以下を参考にしてください。

在宅勤務の場合の事例などについてこちらでです。
この事例ではどう判断される?テレワーク時の労働災害

 

通勤災害

文字通り、通勤(家と職場の往復など)の際に被ったケガや病気、死亡などをいいます。

ただし、寄り道などをして合理的な経路から外れた場合や経路の途中で通勤と関係ない行為をした場合にはその後の移動は対象外となります。

なお、例外的に日用品の購入およびそれに準ずる行為については通勤災害として認められています。

会社からの帰りにスーパーによって日用品や食材を買った場合や美容院によった場合などについては災害の対象となりますが、会社からの帰りに友人と会って食事をしたり、映画を見に行った場合には災害の対象にはなりません。

 

労災保険の保障内容

ここでは労災保険の保障について見ていきます。

労災の保障の種類

  1. 療養補償給付
  2. 休業補償給付
  3. 障害補償給付
  4. 遺族補償給付
  5. 葬祭料
  6. 傷病補償年金
  7. 介護補償給付
  8. 二次健康診断等給付

 

療養補償給付

ケガや病気が治癒または症状が固定するまでの間の治療費(労災病院、労災指定医療機関の場合は現物給付)が給付されます。

治療が終わるまでの費用が無料になります。

「症状が固定される」とはこれ以上は医療効果が期待出来ない状態をいいます。
症状が固定された場合には、療養補償給付は終わりますが、障害がある場合には障害補償給付が受けれれるようになります

 

休業補償給付

ケガや病気の療養のため仕事ができず、賃金を受けられないときに、休業4日目から給付されます。

休業直前の3か月分の収入の総額を日割り計算した金額(給付基礎日額)の6割が休業した日数分、給付されます。

併せて、社会復帰支援として休業1日につき、給付基礎日額の2割が支給(休業特別給付金)されます。

このため、合計で給付基礎日額の8割の補償を受けることができます。

例)給付基礎日額20,000円の保険加入者が30日休業した場合
 16,000円(20,000×0.8)×27日(30-3)
 =432,000円

 給付基礎日額とは、通常は労働基準法で言うところの平均賃金に相当する額を言います。 具体的には、原則として災害が発生した日以前3ヶ月間に支払われた賃金総額をその期間の総日数で除して得た額ということになります。臨時に支払われるものや3ヶ月を超える期間ごとに支払われる給与は含めずに計算する。また、給付基礎日額には最低保障額がある。計算した結果、最低保障額未満の場合には、最低保障額が給付基礎日額となる。

「一人親方団体 労災センター共済会」HPより抜粋

 

障害補償給付

ケガや病気の症状が固定した後の障害等級により年金か一時金が支給されます。

障害補償年金

障害等級第1級から第7級でに該当する障害が残ったとき、障害補償年金が給付されます。
【年金】第1級:日額×313日分 ~ 第7級:日額×131日分


障害補償一時金

障害等級第8級から第14級までに該当する障害が残ったとき、障害補償一時金が給付されます。
【一時金】第8級:日額×503日分 ~ 第14級:日額×56日分

遺族補償給付

死亡したときには、労働者の収入によって生計を維持していた遺族の人数などに応じた遺族補償年金と遺族特別年金、遺族特別支給金が給付されます。

遺族補償年金

亡くなった人の配偶者(内縁関係を含む)や18歳の3月31日までの子や60歳以上の父母などで、死亡当時その収入によって生計を維持されていた人に限られます。
【年金】遺族1人:額×153日分、遺族2人:日額×201日分
    遺族3人:日額×223日分、遺族4人以上:日額×245日分


遺族特別支給金

遺族補償年金に該当する遺族がいない場合には、遺族補償一時金が遺族に給付されます。
【一時金】遺族年金を受け取る遺族がいない場合等:日額×1000日分

葬祭給付

死亡した場合に葬祭料が支給されます。

葬祭を取り仕切る遺族に支払われる場合が多いですが、社葬で会社が葬儀を取り仕切る場合には会社に支給される場合もあります。

葬祭料

【葬祭費】日額×30日分+31.5万円または日額×60日分のいずれか高い方

傷病補償年金

負傷や疾病の療養を開始してから1年6か月を経過しても治っていない場合や障害等級に該当する場合に障害の程度に応じて支給されます

傷病補償年金

第1級:日額×313日分、第2級:日額×277日分、第3級:日額×245日分

介護補償給付

傷病保障年金受給者うち、障害等級が第1級または、第2級の精神・神経障害および胸腹部臓器障害の場合で介護を受けている場合に給付されます。

ただし、病院に入院中の場合、障害者支援施設で生活介護を受けている場合、特別養護老人ホームなどに入所している場合などで十分な介護サービスが提供されている場合には給付されません。

二次健康診断等給付

直近の定期健康診断(一次健康診断)などにおいて、血圧、血中脂質、血糖、肥満にかかる測定のすべての検査で異常値と診断されていながら、脳血管疾患または心臓疾患の症状をがない場合が該当します。

2回目の健康診断や脳・心臓疾患の発症の予防を図るための特定保健指導を1年度内に1回、無料で受診することができます。

 

保険料

年間保険料は給付基礎日額を元に算出されます。

年間保険料は職種毎に決められる保険料率により決められますがフリーランスエンジニアの場合は以下の通りです。

年間保険料

給付額の計算の基礎となる「給付基礎日額」に365を掛けた値の1000分の3の金額となります

例)給付基礎日額が20,000円の場合

20,000 × 365 / 1000 × 3 = 21,900円

 

【補足】フリーランスとしての仕事を原因とする病気や怪我

労災保険への加入を検討する上でフリーランスがどれくらい仕事で病気や怪我をしているかは気になるところかと思います。

内閣官房日本経済再生総合事務所が2020年5月に「フリーランス実態調査」を行った中に「フリーランスとしての仕事を原因とする病気や怪我」の調査がありましたので紹介します。

調査結果の全文についてはこちらを参照してください。
フリーランス実態調査結果
令和2年5月
内閣官房日本経済再生総合事務所

 

まとめ

フリーランスエンジニアも労災保険に入ることが出来るようになりました。

業務が起因している場合や通勤の時にしたケガや病気などでないと給付の対象にはなりませんが、民間の保険に比べると圧倒的に保障が充実していることが分かると思います。

保険料もフリーランスエンジニア場合は、他の業種に比べると低く抑えられています。

扶養している家族がいるなど責任が大きい人にとっては保険に入ることは安心が得られると思いますので加入を検討するも良いのではないかと思います。

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