フリーランスエンジニアのメリット・デメリットについてはいろいろなことが語られています。
語られている中には思い込みであったり想像で言っている人も少なくありません。
そこで一般的に言われているフリーランスエンジニアのメリットについて本当なのかを出来るだけ偏りがないように説明したいと思います。
フリーランスエンジニアのメリット
一般的に言われているフリーランスエンジニアのメリットには以下のようなことがあります。
- 収入がアップする
- 自由な時間が増える
- 自分で仕事を選べる
- 仕事に関係すれば経費計上して節税ができる
- 在宅や避暑地など、好きな環境で働くことができる
- 人間関係の悩みが減る
ではこれらが本当なのかを見てきましょう。
収入がアップする
「フリーランスエンジニアになると収入がアップする。」は本当です。

フリーランスエンジニアになり収入がアップするケースはとても多いです。
私の場合も1年目は若干ですが収入が上がりましたし、次案件はエージェント経由で案件を探したことにより月単価が15万円アップするため、会社員の時の年収から大幅に上がる見込みです。
また、フリーランスの場合は青色申告を申請すれば最大で65万円の控除を受けられるなど控除が拡大しますし、仕事に関係する経費を計上できるため手取りについては収入以上に上がったと実感しています。
フリーランスエンジニアになると収入が上がる主な要因は以下の3つです。
- 企業が必要とする経費をフリーランスエンジニアに渡せる
- 仕事を受ける階層によって収入が上がる
- システムエンジニアは売り手市場
企業が必要とする経費をフリーランスエンジニアに渡せる
社員の場合には以下の様な経費を企業が負担しなければなりません。
・研修教育費
・福利厚生費
・定期券代などの交通費
・社会保険料などの会社負担分
・社員の仕事が空いてしまった時に払う給料
これら以外にも会社が負担している経費は色々とありますが、社員に渡す仕事を例えばフリーランスエンジニアに依頼すれば支払う金額にそれらの経費分を上乗せすることが可能です、会社が支払う金額すなわち、フリーランスエンジニアから見れば収入が多くなることになります。
仕事を受ける階層によって収入が上がる
年収が200万円・300万円と急に上がる人が中にはいます、これば今までいた会社の仕事の受け方に起因するところが大きいです。
では、そのからくりを説明していきます。まずは下の図を見てください。

システム開発の規模が大きいなればなるほど、システム開発に関わる会社は多くなります、また、仕事を受ける階層が深くなることもあります。
まず、階層が深くなると何がおこるかというと、階層が下であればあるほど契約金額(売上)は減っていきます。多くの場合は上の階層の会社が受け取る金額の10~15%の金額が引かれて下の会社は受け取ることにまります。
例えば、あなたがいる会社が第五階層で仕事を受けていたとして、あなたがフリーランスエンジニアになることで第四階層で仕事を受けることが出来たとします、するとあなたは第四階層の会社が利益として受け取っていた分も合わせて受け取ることが出来るのです。
システムエンジニアは売り手市場
It業界は依然としてエンジニアが不足している状況です、需給・供給のバランスからいって収入が上がるのは当然のことなのです。
これについて言えば転職でも給料が上がる場合が多くなっています、会社員のままで給料があがるのであればそれで良いという人は、転職に挑戦してみるものいいかもしれませんね。
自由な時間が増える
「フリーランスエンジニアになると自由な時間が増える。」は嘘です。

フリーランスエンジニアになって自由な時間が増えるということについは期待しない方がいいと思います。
多くのシステム開発案件はチームでの開発であるため、他のメンバーと歩調を合わせる必要があり、週5稼働を求められることが多いです。
中には週3・週4の案件もありますが当然、週5の収入の60%、80%となり減額されてしまいます。
「請負契約」の案件であれば短期間で仕事を終わらせることで自由時間が増える可能性はありますが、失敗するとかえって多くの時間を取られ自由時間が減る場合もあります。また、「請負契約」はリスクをともないます。
フリーランスエンジニアの契約についてはこちらを参照してください。
フリーランスエンジニアの契約方法の基礎(契約は2種類です)
そもそも、フリーランスエンジニアの仕事は労働集約型産業(労働時間≒収入)であるため、仕組みとして収入を減らさずに自由時間を増やすことは難しいです。
そのようなことからもし自由な時間を増やすのであれば、高単価な案件を見つけて週3・週4で働いたり、週5でしっかり稼いで次の案件までの間に長めの休みをいれるなど会社員では出来ないような休みの取り方は出来ると思います。
いずれにしろ、ただフリーランスエンジニアになったからといって自由時間が増えることはないという認識は持っていた方が良いです。
自分で仕事を選べる
「フリーランスエンジニアになると自分で仕事を選べる。」は本当です。

フリーランスエンジニアは仕事を選べます。
当然、発注側のニーズとエンジニアのスキルが合わなかったり、条件面で折り合いがつかなければ受注とはなりませんが。
仕事を選択できるということに関しては、大抵の会社員が仕事を選べないことを考えれば「自分で仕事を選べる」と言ってよいと思います。
エンジニアは市場価値を上げることで選択肢の幅はより広くなります。
在宅や避暑地など、好きな環境で働くことができる
「フリーランスエンジニアになると在宅や避暑地など、好きな環境で働くことができる。」は嘘です。
コロナの影響でIT業界全体で在宅勤務は増えましたが、フリーランスエンジニアになることで働き場所が自由になる人はごく一部です。
「請負契約」で仕事を受けていたり、考え方が柔軟なお客さまであるなどということがなければ、出社して会社で業務を行うか在宅で行うかのどちらかになります。
エージェント経由で仕事を請けた場合にも、セキュリティインシデントのリスクを軽減するため、コアワーキングスペースやカフェなどでの作業も見止まられないケースは多いです。
好き場所で作業が出来る仕事を選ぶことはできますが、選択肢は多くはありません。
人間関係の悩みが減る
「フリーランスエンジニアになると人間関係の悩みが減る。」は本当です。

会社員であれば上司・先輩・後輩・事務関係の人どなど会社組織ならではの業務以外での人との関りが生じます。
その点、フリーランスエンジニアになるとほぼ業務に関わりがある人との接点のみとなります。
自身で営業をして仕事を取っている人は、仕事を獲得するために人との接点は多くなりますが、付き合いたくないという人とは距離を置けばいいだけですので人間関係による悩みにはつながらないでしょう。
フリーランスエンジニアは仕事を自由に選べますので人間関係が複雑な業務を避けるということも可能です。
まとめ
「フリーランスエンジニアになると収入がアップする。」は本当です。
「フリーランスエンジニアになると自由な時間が増える。」は嘘です。
「フリーランスエンジニアになると自分で仕事を選べる。」は本当です。
「フリーランスエンジニアになると在宅や避暑地など、好きな環境で働くことができる。」は嘘です。
「フリーランスエンジニアになると人間関係の悩みが減る。」は本当です。
これが全てにおいて当てはまるわけではありませんが、フリーランスエンジニアになることを考えている人は、どのようにすれば求めている状況になれるかを見極めて行動して頂ければと思います。